ポンッと音を立ててペンと紙を何もない所から出現させる [生活]

三鞭粒ヤウとの会話で彼が見知らぬ人のように思えた。だけど、それ以前に私が拒絶したことで、彼は私から遠のいただけなのかもしれない。そう思うと体から力が抜けて、私はすとんと座り込んだ。同時に影につかまれていた腕が外れて、だらりと下がる。俯く私の頭上でヤウのへんてこな声が上がる。生返事のヤウの言葉の後にぼんと小さな爆発音がした後に影の気配が消え、フィリーが私を気遣って肩に手をかけようとしているのが分かった。

それを察して、咄嗟に私は彼の手を避けるように立ち上がった。同時に手の中にあった、指輪を再び嵌める。それ以上は言わずに、彼に先を促すために頷いて見せた。この場面、少なくとも悲しくとも私が口を出していいところではないだろう。フィリーもそれは心得ているようで、私に頷き返し、改めてヤウに向き直った。私はフィリーの言葉を前に唾を音を立てて飲み込んみ、正直言って、これは俺がすぐに決断を下せる内容じゃない。混乱もしている。確かめたいこともある。

その言葉に大きく息を吐いた。ヤウは少しだけ考えるように顔に手を当てた後、ポンッと音を立ててペンと紙を何もない所から出現させると、そこに何事か書き付けた。こちらとしては完全拒否されるよりは、よほど良いお答えです。では、決断を下されたらこちらにご連絡を。オルロック・ファシズにおります協力者の名前です。そして、その書いたメモをフィリーに渡す。蔵八宝
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